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永井荷風「日和下駄」-牛ヶ渕、桜田濠 [散歩]

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これまで皇居の周りは何度も用事や散歩で歩いたことがあるが、お堀や門の名前にはあまり注意を払ったことがなかった。荷風の「日和下駄」の次の記述に触発されて、お盆休みの暑い日の午前、皇居を半周してみた。

 

「江戸城の濠(ほり)は蓋し水の美の冠たるもの。然し此の事は叙述の筆を以てするよりも寧ろ絵画の技を以てするに如くはない。それ故私は唯代官町の蓮池御門、三宅坂下の桜田御門、九段坂下の牛ヶ渕等古来人の称美する場所の名を挙げるに留めて置く」(p. 58)。

 

まず、飯田橋から<牛ヶ渕>に向かった。これは九段会館の裏手にあるこぢんまりしたお堀で、桜で有名な千鳥ヶ淵に隣接している。ちょうど蓮の花が咲き誇っていてきれいだった。<牛ヶ渕>の隣が<清水濠>だ。竹橋に突き当たって左折すると<大手濠>がある。20代の前半、この近くに勤務先があったが、よく見るとその当時からかなりの建物が新改築されている。

 

<大手門>、<桔梗濠>を通って、右手の皇居側に入ると<蛤濠>と<坂下門>だ。写真の裏手後方に<蓮池濠>があるはずだが、ここは宮内庁から事前許可をもらわないと入れないエリアとのこと、まあそこまでして見たいわけでもないとあきらめた。

 

<坂下門>に向かって左手には広い砂利道が広がる。皇居側には<二重橋濠>があり、<二重橋>に至る。しかし、この橋は砂利道の広場から見ると、<皇居正門>に繋がる<石橋>の背後になって隠れてしまう。昔、中学3年生の時、修学旅行で東京に来たが、<石橋>を背景に記念写真を撮った記憶がある。てっきりこれが<二重橋>だと思っていたが、私の誤解だった。

 

ここまで来ると<桜田門>は直ぐそこだ。門を出ると右手に<桜田濠>が広がる。<桜田濠>は前から気に入っていた。半蔵門あたりから三宅坂、桜田門と緩やかな下り傾斜が続くが、その左手に見える<桜田濠>は石垣沿いのお堀のように直線的ではなく蛇行しており、その曲線美が何とも言えない。今回は逆方向に歩いたが、それはそれでまた新たな趣があった。

 

気軽に入れるエリアが限定的なのは残念だが、都心の真ん中にこれだけ美しい水と緑の広大なエリアがあるのは貴重なことだと再認識した。

 

<牛ヶ渕>

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<清水濠と清水門>

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<大手濠>

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<大手門>

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<桔梗濠>

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<蛤濠と坂下門>

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<二重橋濠と二重橋>

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<皇居正門と石橋>

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<桜田門(渡櫓門)>

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<桜田濠>

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