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レマン湖に刺さったフォークとチャップリン「黄金狂時代」 [映画]

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スイスのジュネーヴ在住中の20096月、レマン湖畔の町、ヴヴェイ(Vevey)を訪ねたことがある。有名な食品メーカー、ネスレ(Nestlé)発祥の地で、喜劇王チャップリンが後半生を過ごした町としても知られている。湖畔沿いにチャップリンの銅像(↓写真)がある辺りまで歩いたが、湖の方に目をやると大きなフォークのオブジェが突き刺さっていた(↑写真)。一体何だろうと思ったが、近くに説明の掲示類はいっさいない。ただ、珍しいと思い、写真だけは撮っておいた。

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この謎は、その後、草刈民代主演の「ダンシング・チャップリン」(2010年、日本映画)を観たときに氷解した。チャップリンの「黄金狂時代」(The Gold Rush1925年、アメリカ映画)にチャップリンがフォークを用いた印象的なシーンが登場するが、どうやらそれに触発されて作られたオブジェなのだ。

 

「黄金狂時代」でチャップリンがフォークを用いるシーンは2つある。一つは、アラスカに金鉱探しに出かけたチャップリンが空腹に苛まれ、靴(の煮込み)をフォークで食べるシーンだ。

 

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もう一つは、大晦日に酒場の女性を自宅に誘うも、待ちぼうけを食らい、夢の中で女たちにダンスを披露するシーンだ。ただし、ダンスと言っても、チャップリン自身が踊るのではなく、ロールパンに2本のフォークを一つずつ差し、それを人の足に見立てて、手の動きでダンスのステップを巧みに演じるのだ。これは実に秀逸で、何回繰り返し見ても飽きない。

 

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この映画は、チャップリンが金鉱の発見者ジムの分け前を得て大金持になるとともに、好きだった酒場の女ジョージアとも結ばれるというハッピー・エンドで終わっている。ただ、映画の中でさまざまなアップ、ダウンを見てきただけに、私には最後の「ハッピー・エンド」が何か取って付けたもののように思われた。

 


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