ミモザの花が咲いた [自然]
3月の末、自宅ベランダのミモザが咲いた。以前もあったのだが、水遣りを怠って枯らしてしまい、昨秋、再度買って植え直したものだ。
ミモザが咲くと南仏にも春が訪れる、とどこかで読んだことがある。あいにく出典が見つからないが、2009年5月、プロヴァンスのオランジュを訪れたとき、家々の軒先にミモザが咲いていたのはよく記憶している。
オランジュについては、改めて書いてみたい。
ベランダの白梅 [自然]
40代半ばに初めて持ち家(と言ってもマンションだが)を買って約10年になる。持ち家を買おうと思った理由はいくつかあるが、その一つは、ベランダに花や木を植えて育ててみたいと思ったからだ。入居後、堰を切ったようにいろんな花や木を買ってみたが、水をやり忘れたり、日照が足りなかったり、虫がついたりと、つぎつぎに問題が起こり、大半は長続きせず枯れてしまった。5、6年以上続いているのは、この白梅とあともう1本だけだ。
梅は、ふだんは地味な木だが、1月から2月の寒中、多くの木々が葉を落とし、花も咲かない中、凛として開花する。その姿には、いつも勇気づけられる。
旧い新聞の切り抜きを今も持っている。哲学者、梅原猛氏のコラムだ(2008年1月17日付『日本経済新聞』「こころの玉手箱3」)。彼は、こう書いている。
「梅は早春、寒い中でいち早く花を咲かせる。どこか寂しげであるが、孤高を保つ強さがある。対して、桜はパッと咲いて潔く散り、華やかで賑やか。なにがしか群集心理を煽るところがある。戦時下の狂奔、バブル経済時代の狂騒などを考えると、梅に見る精神性、孤独に耐える強さを学ぶ必要があると感じる。最近ますます、集団におぼれる傾向が強まっているのは心配だ。」
同感である。