パリ(2014年春)-ヴェルサイユ(1) [フランス]
4月1日(火)は前日に予定していたヒアリングが無事終わり、1日フリーだった。どこへ行こうか迷ったが、ヴェルサイユ宮殿(Château de Versailles)に行くことにした。これまで2、3回行ったことがあるが、いずれも「ちゃんと」見たという実感がない。今回は1日かけてゆっくりていねいに見ようと思ったのだ。しかし、出足からつまずいてしまった。宮殿の前には、朝9時半ころ到着したが、入場口はかなりの行列だった。しかも後でわかったのだが、私がついた行列は既に入場券を持っている人のための行列で、券を持っていない私は入口左側の建物の中にある券売所で入場券を買った上で再度並ぶはめになってしまった。こうして見学のピーク時間帯に巻き込まれてしまい、「ゆっくりていねいに見よう」などという気分は失せてしまった。
ただ、鏡の回廊(Galerie des Glaces)だけはちゃんと写真を撮りたいと思ったので、少々粘って人の波がやや少なくなる瞬間を待って何枚かシャッターを切った。このほか、王様や王妃のベッド、絵画などの写真も少し撮ったが、どうも私はこうしたものにそれほど強い関心が湧かないようだ。ベッドも豪華には違いないが、装飾用の調度品ならいざ知らず、日常的な生活用具として見た場合、はたしてどのように使っていたんだろうと、余計なことが気になってしまう。
あと、今回、パンフレットを読んで知ったのだが、入口の建物に書かれた«À TOUTES LES GLOIRES DE LA FRANCE»(フランスの全ての栄光に)の文句。これは、この宮殿に住んでいた王様が、栄華の象徴としての宮殿に対して発した言葉かと思っていたが、そうではなかった。ヴェルサイユ宮殿に住んだ最後の国王はルイ16世だが、フランス革命勃発により、1789年10月6日、宮殿を後にする。そして、フランス最後の国王、ルイ・フィリップが1837年、ヴェルサイユ宮殿を「フランスの全ての栄光に」捧げる歴史博物館とすることを宣言したときの言葉だったのだ。フランス版「祇園精舎の鐘の声」と言うべきか。
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