2009年12月のパリ(3)-デパートのショーウィンドウ [フランス]
パリのフランス語学校に通っていたとき、Tというインド系フランス人の先生がいた。教え方が少々いい加減で、雑談が多く、学生の評判は今ひとつだったが、私は彼の雑談が好きだった。マイノリティーならではの皮肉の効いたコメントが面白かったからだ。「地下鉄でフランス人がみんな新聞や本を読んでいるのはどうしてだかわかるかい? 彼らがインテリだからじゃない。他人と視線を合わせるのが嫌だからだよ」、「パリの市内は歩道が狭くデコボコで、地下鉄駅もほとんどエレベーターがないのは、ハンディキャップのある老人などを市内に住まわせないようにするための政策さ」、等々。彼のルーツを聞くうちに、インドにフランスの植民地があったことも知った。ポンディシェリ(仏語:Pondichéry、英語:Pondicherry)という都市だ。
ところで、クリスマスの時期、このT先生に、シャンゼリゼ大通りの仮設店舗やイルミネーションを見に行ったが、ちょっと期待外れだったという話をしたら、「じゃあ、デパートのショーウィンドウを見に行ってごらん」と言われた。自分が子供のころ、親に連れて行ってもらって、飽きもせずにずっと見ていたというのだ。50過ぎのオジサン向けのアドバイスではないと思いつつも、百聞は一見にしかず、見に行ってみた。さすがに興奮するというほどではないが、なるほど小さな子供が喜びそうな動く人形の仕掛けが多数あった。実際、子供たちが熱心に見入っていた。
<ギャラリー・ラファイエット、プランタンのショーウィンドウ>
<ル・ボン・マルシェのショーウィンドウ>
<ルーヴル美術館>
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