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シオン [スイス]

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ジュネーヴからイタリアへの長距離列車に乗ると、次のルートをとる。まず、レマン湖の北岸に沿ってローザンヌ(Lausanne)、モントルー(Montreux)などを通って東進する。進行方向の右側はレマン湖、左側は傾斜地をブドウ畑が埋め尽くす美しい光景だ。レマン湖を過ぎると、いったん南下してマルティニ(Martigny)に至る。ここから再び東進するが、両側を丘陵に挟まれたローヌ川沿いの帯状の平地が続く。ブリーク(Brig)まで行って、再び南下して長いトンネルを抜けるとイタリアだ。イタリアに入って最初の停車駅、ドモドッソラ(Domodossola)から車窓の外を眺めると、急にイタリアっぽく見える(?)のが不思議だ。

 

ところで、マルティニとブリークの間にシオン(Sion)という街がある。駅のすぐ北側の崖上に教会(写真↑)が建っているのが気になっていた。また、マルティニからシオンまでの北側の岩肌の斜面にはびっしりとブドウが植えられている(写真)。まるで日本の「千枚田」のようだ。

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そんなこともあって、この街にぜひ降りてみたいと思った、この街のシンボルは、駅から見える岩山の上の教会、ヴァレール(Valère)教会とその北の岩山の上に残るトゥルビヨン(Tourbillon)城の跡だ(写真)。まず、葛折りの坂道を探り当てて、ヴァレール教会を目指した。そこからトゥルビヨン城や眼下に広がる市内を見下ろした。郊外にはやはりブドウ畑が広がっている。

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それから街中に降りて、あちこち歩き回った。趣のある建物や街路が続くのだが、人影が少ないのが気になった。その日は日曜日の午後で、スイスの他の街と同様、ほとんどの店は閉店だ。ただそれにしても、あまりに人がいないのは不気味だ。市庁舎近くのプランタ広場(Place de la Planta)も人っ子一人いない。以前、ベルギーの古都、ブルージュ(Brugge)を日曜日に訪ねたときも、出歩いているのは観光客ばかりだった。シオンの場合は観光客もほとんどいない。

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帰途につこうと早めに駅に戻ったところ、少々異様な雰囲気があった。機動隊員が何人も警備しているのだ。帰りの列車内で飲むビールを買おうと駅舎内の売店に入ると、怖そうな兄ちゃんたちが何人か入ってきた。そうこうするうちに、兄ちゃんたちの数は増える一方だ。バーゼル行きの臨時列車のアナウンスも聞こえる。ようやく私も事情が飲み込めてきた。どうやら、この日、スイスの一部サッカーリーグ、FCバ-ゼルとFCシオンの試合があり、それが終わってバーゼルのフーリガンたちが臨時列車で帰るところに出くわしたのだった。別に彼らの写真を撮る気などさらさらなかったのだが、カメラを首からぶら下げていたら、興奮気味の兄ちゃんに、写真を撮るなと、絡まれそうになった。静まりかえる古都の街並みと、荒れ狂う若者のコントラストが、どうも腑に落ちないまま、帰路についた。

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*写真は、最後の1枚を除いて、スイス、シオンにて。最後の1枚は、スイスのサッカー1部リーグ(Super League)のホームページより。同リーグには10チームが所属しており、FCバーゼルは21世紀になってから6回優勝している強豪チームだ。

 


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