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フェルメール「真珠の首飾りの少女」(1662年) [美術]

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このごろ都内で、ときどき上の写真の絵のポスターを見かける。2012613日~917日、上野の国立西洋美術館で開催される「ベルリン国立美術館展 学べるヨーロッパ美術の400年」の広告だ。私は、贅沢なことに、この絵を20106月、ベルリンの文化フォーラム絵画館で見ている。

 

正直に言うと、この絵がそんなに有名な絵だとは知らなかった。この絵が展示されている部屋を立ち去ろうとしたとき、日本人の団体客が入れ違いに入ってきた。ガイドというよりは講師(あるいは、画家、美術評論家)という感じの中年男性が、この絵のすばらしさをあれやこれや語り、中高年のご婦人10人ほどが、それを、さかんにうなずきながら聴いて、各自それぞれに感嘆の言葉を掛け合っていた。

 

盗み聞きしているように思われるのは嫌だったので、私は、いったんその部屋を出た。そして、一行が立ち去った後、再び戻って、この絵を改めてよく見てみた。全体の構図、とりわけ光と影のコントラストや少女のディテールは素晴らしい、と思った。そして、記念にと上の写真を撮った次第である。

 

ただ、この絵(の複製)を自分の部屋や机の上に飾りたいとまでは思わない。それだったらブリューゲルのどれかを選ぶだろう。結局、好きとか嫌いとかいうのはそういうことなのだと思う。

 

ところで、フェルメールの絵の前で出会った日本人ツアーの御一行には、そのあと出会うことはなかった。この美術館のウリの一つは、ブリューゲルの「ネーデルランドの諺」であり、普通ならその展示室で追いついてもよいのだが、よほど足早に駆け抜けたのか、どこにもいなかった。フェルメールのこの絵を見るためだけに、この美術館に来たのだろうか。この美術館に訪れるためだけにドイツに来たのだろうか。あるいは、フェルメールを巡るヨーロッパの旅、とでもいったツアーがあるのだろうか。だとしたら、随分と贅沢な旅だ。

 


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