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韓国の大学の英語事情 [韓国]

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学会の会場となったS大学は既に夏休み中で(韓国の大学は3月に新学期が始まるので、7月は既に夏休みだ)学生の姿はまばらだったが、食堂で数人の女子学生が(注:S大学は女子大)、若い欧米人の男女数人と一緒に昼食をとっているのを見かけた。さらに食堂の壁のあちこちに“English Only”などという掲示が張り出されている(写真↓)。S大学の先生に尋ねたところ、夏休み中に、希望する学生に対しネイティヴスピーカーによる英会話の特訓コースを設けているのだという。

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通常の学期中でも、韓国の大学は英語による授業に力を入れている。45年前からだというが、主だった大学はどこも、(英語以外の)専門科目を英語で教える授業を導入しており、新規採用の教員に対して、何コマか(例えば3コマ)こうした英語による授業を担当することを、雇用契約書に明記し義務づけている。最近は、こうした傾向がより小規模の大学でも広がりつつあるらしい。

 

はたして学生は英語オンリーの授業について行けるのか、とS教授に尋ねたところ、

今は過渡期なので、ある程度の無理は仕方ない、

通常の韓国語による授業は相対評価で高成績をとるのが難しいのに対し、英語による授業ではそうした「カーブ」(あらかじめ割り当てられた割合のこと)を外して甘めの評価をすることで、学生の履修を促している、とのことだった。

 

また、K国立大学のK教授は、

韓国では就職の際、英語力が重視されるので学生のモチベーションは高い、

と言っていた。私の教え子だったC君も、財閥系企業に就職しようと思ったら、TOEIC900点以上ないと英語力が十分とは見なされないと言っていたので、日本とは相当に事情が異なる。ちなみに、財閥系企業の大卒初任給は年収340350万円程度で(理工系の場合はさらに高く450万円程度)、非財閥系企業より初任給の時点で既に100万円以上高いという。

 

韓国はもともと欧米留学志向の強い国で、私の世代でもアメリカに多くの韓国人留学生がいた。日本は最近、欧米への留学生が減っているようだが、韓国の若い世代では、ますます留学志向が強まっているように感じた。実際、今回の学会でも、若手の韓国人研究者は流ちょうな英語で話す人が多かった。語学というのは才能や興味といった要素もあるが、煎じ詰めればサバイバルのために必要かどうかだ。善し悪しはともかく、この点に関し、韓国人が日本人よりずっとハングリーなのは否定すべくもない。

 


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